もくじ
入居者に高評価の設備ランキング 2019年度版
全国賃貸住宅新聞が「入居者に高評価の設備ランキング」2019年度版を発表しました。
この調査は毎年実施されており、本年は9月2日から9月末にかけて、全国の管理・仲介会社365社の回答をもとに集計行ないます。
昨年と比べて多少の順位変動があった他、時流を反映したニーズも増えてきていることが分かりました。
土地活用や賃貸経営の参考意見ということで、2018年版との比較もしながらランキングの詳細をチェックしてみよう。
「この設備があるのなら周辺相場より家賃が高くても決まる」設備ランキング
「この設備があるのなら周辺相場より家賃が高くても決まる」設備ランキングでは、単身者向け・ファミリー向け共に昨年1位だった、無料のインターネット設備が今年も1位にランクインしました。
無料のインターネット設備が4年連続での1位というわけです。
パソコンやタブレット、スマートフォンは、今や日常必需品です。
仕事で利用することはもちろん、電子書籍を読む、動画サイトを観るなど、娯楽としても利用度合が高いため、多少家賃が高くとも「インターネット無料」は入居者様の目には魅力的に感じるようです。
無料インターネットが最初からついている賃貸マンションは魅力的ですよね。
普通に契約すれば毎月5,000円以上かかるはずのインターネット。
これが無料で使えちゃうなんて、とても太っ腹です。
インターネットについては、複数の仲介業者から「インターネットの通信速度にこだわる入居者様が増えている」と言う評価も上がっています。
通信量の大きいデータ(動画や画像ファイルなど)を扱う際、無料のインターネットでは頼りないと感じる方が増えてきている様子が伺えます。
通信会社と連携して高速インターネットを提供する管理会社もあり、通信速度向上のニーズは賃貸オーナーが知っておくべきトレンドのひとつと言えそうです。
入居者目線でみると、ネットのヘビーユーザーや、オンラインゲームをがっつりプレイするような人は、 インターネット設備だけあるマンションを選んでおいて、契約は自分で選んだほうが良いでしょう。
「24時間利用可能ゴミ置き場」が初のランクイン! 但しマナーの問題も
今回、単身者向け7位、ファミリー向け8位にそれぞれ初めてランクインしたのが「24時間利用可能ゴミ置き場」です。
ファミリー向け物件で共働き世帯が増えたほか、単身者向け物件でも旅行や出張などで家を留守にすることが多く、決められた曜日にゴミ出しをするのが難しい入居者様にとって便利な設備と言えます。
一方で、賃貸オーナーとして気になるのはゴミ捨て場のマナーではないでしょうか。
24時間いつでも利用できるからこそ、「自治体指定のゴミ袋を使用しない」、「粗大ごみを投棄する」といったマナー違反が散見される例があるとのことです。
他の入居者様の不満にもつながるため、管理会社と相談しながら対策を講じる必要がありそうです。
「この設備がなければ入居が決まらない」設備
家賃相場の高い都心でも「室内洗濯機置き場」は必須
「この設備がなければ入居が決まらない」設備ランキングでは、単身者向け・ファミリー向け共に昨年と大きな変動は見られない結果になりました。
そのなかで、昨年に続いて1位になったのが「室内洗濯機置き場」です。
特に都内中心部では、築30年を超えるような物件でも退去のたびに家賃が上がる傾向が見られます。
家賃相場の高いエリアを検討している入居希望者から、室内洗濯機置き場の設置を必須条件として強調される例も多いと聞きます。
また、「インターネット無料」が単身者向け・ファミリー向け共に昨年から2ランクアップしています。
インターネットのニーズは地域差がある
仲介業者によれば、インターネットのニーズは地域差があり、供給が少ないエリアでは「差別化につながる」を強みとしている一方で、「ないとまず決まらない」という「あって当たり前」の条件として認知されているエリアもありました。
土地活用を考えている方は、周辺エリアの電波状況も把握しておけば賃貸経営のヒントとなりそうです。
時代の流れに沿ったニーズを把握する
2つのランキングから分かることは、賃貸オーナーは時代の流れに沿ったニーズを把握することが賃貸経営を成功させるための秘訣だと思われます。
特に「インターネットはもはやオプションではなく、あって当然のもの」という意識を持った方が良いと思います。
今回は、より利便性を求める傾向の強いランキングとなりましたが、2019年後半は台風などの自然災害が多く、翌年以降は防災・安全面の意識の高まりがランキングに反映されてくる可能性もあります。
今後のニーズの変動に要注目です。